※大喜利元ネタ
■街の灯(1931)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、29本目。
以下、ネタバレ備忘録。
チャップリン扮する貧乏人が盲目の女性に恋をし奮闘する話。
この時代から効果音と動作を合わせてコミカルににするアイデアが産まれてたことに感動しましたよ。
この映画が1番ストーリー的に美しいと思いますね。
そしてチャップリン映画の中で、面白さも1番だと。
まず出てくるキャラで金持ちの男が面白い。
自殺しようとする金持ち。
酒飲んでないと思い出さないやつってどんなんだよ。
この男にチャップリンは振り回されることに。
まあ、酒飲んでいればそこそこいい奴だし、助けてくれるところもあるんだけれども。
ただ、この男がチャップリンを牢屋に送り込む決定打を打つことになるんだけどね。
それはそうと、この映画では、チャップリンが健気なんだ。
お金は無いのに、盲目の女性がキレイなもんでお金があるフリをするんですよね。
なんていうか、「これオイラの思考の一部読み取って話考えた?」と、自分を重ねられるくらい、この立場だったら同じことするだろうなというシンクロ感。
盲目の女性の家を訪れても、そう。
紳士的な振る舞いで夢を壊さないようにしたいし、お金持ちだと思っていてもらいたい。
実際の見た目は紳士とは遠いものだし、お金が実際はないのたけど、目が見えていない女性だからこそ、チャップリン側も役に立ってあげられるのだ。
お茶の淹れ方だけしか取り柄のない普段虐げられてるような人も、来客中は輝く、ってことでしょうね。
1番笑ったのは、ボクシングのところ。
あれは無声ならではの面白さかもしれない。
審判に隠れてステップを踏み、チャップリンが殴ってすぐクリンチ。
時には審判と入れ替わったりして。
無意味な手の前ローリングなど、無駄な動きのバカバカしさがあり、これもそもそもボクシング自体無駄じゃ無い?と当時人気だったボクシングに対する皮肉にも思えるんだよね。
そして、最後のシーン。
濡れ衣を着せられて刑務所から出てきてボロボロな洋服を着ているチャップリンと目の手術がうまくいって花屋さんを営んでいる女性の手が触れるシーン。
ここが素晴らしい。
彼女が自分に話しかけていることより、彼女の目が見えるようになったことを喜んでいるようで、涙が出た。
手を触れた時のセリフ。
「あなたでしたのね・・・」
「見えるようになった?」
この純朴な二人の関係性がさらに涙腺を攻め立てるんだわ〜。
定期的に見て、涙を出すための映画ですね。
製作国
アメリカ
監督
出演
ヴァージニア・チェリル