※大喜利元ネタ
■巴里のアメリカ人(1951)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、37本目。
以下、ネタバレ備忘録。
めくるめく画面の色調がとても綺麗で心惹かれる。
この作品は色の使い方がすごいよね。
スーツや子どもたち、出てくるもの全てオシャレに見えちゃう。
どのシーンも絵になるよ。
なんじゃこりゃ、素晴らしい。
当時はまだ白黒映画が多かった中、これぞカラー映画、と力を見せつけていたんだろうなあ。
ジーン・ケリーことジュリーは売れない絵描き。
そこにパトロンとなる女性が現れて、その女性とあるカフェに行くと、そこには運命の女性が座っていて・・・
話もわかりやすいし、同じ女性を思うアンリも喫茶店で会話しているときの、二人の共通の友人アダムの間に挟まれて「えらいことじゃあぁぁ!」感になってる姿も良くて、笑っちゃったね。
二人で同じ人のこと思って、愛の歌歌っちゃったんだもん。
ダンスシーンはどれも良い。迫力満点。
特に最後、壮大なスケールでジェリーの心の中を描くダンスは、心震えて目が離れない。
何が何だか、入ってくる情報の美しさ、もっと見たいという欲求によって、理解せずともずっと画面から目が離せなかったのよ。すごい。
こんなにエモーショナルな体験はなかなかないですよ、圧巻。
ジェリーの躍動感、衣装とバックダンサーのそれとの画面のマッチ。
ヒロインのツンとした顔立ちとイタズラっぽい表情。
舞台も花がたくさん置かれている通りとか、中世ヨーロッパ風のお店みたいなところになったり、何度か変わり。
このジュリーの気持ちのシーンだけで20分くらい、ダンスシーンがあるんじやないかな。
あっちが肉体を使って踊ってくれて、こっちの心を踊らせてくれる。楽しい。
登場人物に悪役という悪役がいないのも、作品全体の明るさが増して良い。
言うなれば、余念がない磨き方をしているダイヤモンド。
何度も見れる。
全てがアーティスティックで、芸術のことなどわからないオイラでも芸術を感じられる作品でした。
製作国
アメリカ
監督
出演
ジュリー:ジーン・ケリー
リズ:レスリー・キャロン
アンリ・ジョルジュ・ゲダル