※大喜利元ネタ
■深夜の告白(1944)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、81本目。
以下、ネタバレ備忘録。
魔が刺して、たぶらかされた女性の夫と、その後にその女性をも殺してしまう話。
冒頭、保険会社に勤める男ネフが、同僚キーズの録音機に自分が犯した殺人の経緯について吹き込んでいて。
その内容というのは、美人妻フィリスにそそのかされてその夫を保険金目当てで殺してしまったこと、当初の計画とズレて夫の足の怪我や殺人現場の証人が出てきて保険金を貰うのを止めようとするも美人妻がやり切る気でいたこと、結果、フィリスのことも信用できなくなり、始末することにして怪我をしたことなどを機械に残したとき、そこのそばにキーズの姿が。
ネフは黙って逃してくれないか、と言わんばかりに言葉を投げかけるも、キーズには「その怪我じゃエレベーターまでしか行けないぞ」なんて言われて。
実際、エレベーターどころか、オフィスのドアで苦しくなって、座り込み、ジ・エンド。
結果、金と女に目がくらみ、悪い人間でもない男を殺してしまう流れを、不倫と殺人という非日常の緊張感と一種の映画的カッコよさを持って描いてるなあ、と思ったね。
実際、オイラがこの男だったら、こんなにスマートじゃなくガニ股で小走りしてそうだし。
車の後部座席で潜んで殺人の機会をうかがうシーンがあるけど、そのまま声を押し殺してうずくまって、車の目的地でリフレッシュ深呼吸してそう。
美人にいい男、やる人がやるから絵になる、っていうのを強く感じましたね。
それと、殺された夫の娘ローラが出てくるんですが、その前妻である母親も殺されていて、さらには父親も殺されて。
頼る人がいない中、唯一信頼した大人が父親を殺した男って。
悲惨です。
一応、最後は罪悪感があったのか、ネフはローラの恋人をローラのところに向かわせたりもしますが。
日常に潜むちょっと魔が刺したところから始まる、人生崩壊の怖さが表現されている、なんとも肛門の引き締まる映画でごわした。
製作国
アメリカ
監督
出演
ウォルター・ネフ:フレッド・マクマレイ
フィリス・ディートリクスン:バーバラ・スタンウィック
バートン・キーズ::エドワード・G・ロビンソン