※大喜利元ネタ
■黄金時代(1930)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、90本目。
以下、ネタバレ備忘録。
不条理ネタが詰まった映画。
男が女を襲って、女はその男が気になって、ただ、それもまた気移りして、といった流れはあるけど、不条理なことばっかやってるので特にそこに感情移入することはない。
なんかどっかのお偉いさんの骨が見つかった場所の近くで、紳士っぽい男が淑女っぽい女を襲って、周りに捕まって。
連れてかれる最中も、女性が描かれたポスターなんかを見ては妄想に耽り。
自分は特別大使だ、ということを明かして束縛を抜け出し、シーン冒頭から歩道を歩いていた盲目の男性に近づいて蹴飛ばして。
女がいるパーティに参加しては、酒をこぼされたマダムに平手打ちをし。
「何でそんなことするの!?」
「されたことに対してすることがあってない。。」
暴力である。不条理である。
なんだかダウンタウンのコントみたいなところもありましたね。
そして、パーティで女と出会った男。
二人でイチャイチャしだして。
女は恍惚とした表情。
そこに今まで見たこともないおっちゃん紳士が現れ。
そちらに歩み寄る女。
おっちゃん紳士とキスをしまくるのでした。
それを見て悔しい男。
部屋に行ってベッドにある枕の羽毛を散らかします。
窓からその羽毛を投げ、司教も投げ、麒麟の剥製も投げ。
悔しさに打ち震えてフェードアウト。
「こんなこともあらあな」ってところでしょうか。
司教は今のマンガとかの表現にも通づるところがあるけど、実写だとこういうリアリティのない物語じゃないと面白くならない気がしますわ。
そして、なんと残り5分あろうかというところで、そこからまた全く別のシーン。
山の上にある城に悪党がおり、その悪党が四人で山を降りるという。
城から出ようとしたところ、傷ついた女が扉から出てきて。
悪党の親玉がなだめて部屋に戻し、扉が閉まってしばらくすると「キャー!」
了。
そのほか、犬が蹴飛ばされたり(これも今の時代では完全にアウト)、なんの脈絡もなく牛がベッドにいたり、仲の良さそうにしていた子供がちょっとしたことで年上の若者に撃ち殺されたり。
いやあ、不条理ですねえ。
笑い声がないと笑って良いんだが悪いだかわからないですね。
コントの笑い声の重要性を再認識。
今の時代は暴力では笑えないだろうけど。
オイラ、この作品を監督名知らずに見たんですが、さすがダリ。やっぱダリ。
アンダルシアの犬といい、この人は当然の如く非常識で、「次のシーンの『非常識』は、まさかあれやるのか?」という予想をそのままやってしまえるような、奇抜な作品でした。
それでは今回はこの辺で。
次は法廷で会うわよ!
(不条理コント、キャシー塚本の捨てゼリフより)
製作国
フランス
監督
ルイス・ブニエル(脚本:サルバドール・ダリ)
■映画大喜利
【お題】
部屋に牛が。どうしてこうなった?
【回答】
牧場の懐かしさについふらりと