思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『竹』


竹って、嬉しい。
竹林は見ごたえあるし、たけのこも美味しい。竹からは竹トンボだって作れる。
竹書房からは、近代麻雀が未だに刊行されている。
竹は、良い。

また、竹は、かぐや姫を産む。
かぐや姫とともに生活したいおじいさんおばあさんは、今この令和の時代でも、竹やぶの竹が光っているのを無意識に探していることだろう。
まったく、竹というのは、罪なヤツである。

しかし、竹には血塗られた歴史がある。
今でこそ、落とし穴に落ちても、「びっくりした〜」で済むが、昔は落ちたらそこには斜めに切られてとがった竹が、落ちた人間を亡き者にしようと待ちかまえていたのである。

そこにあらわれた一筋の光は、『ししおどし』である。

この落とし穴でいえば、落ちてきた人間の血はその竹に塗られ、息も絶え絶え、というその刹那、最後は遠くにかすかに聞こえる『ししおどし』のカコーンという音とともに絶命、となる。
そのししおどしが与える侘び寂びへの選択肢が、もしかすると落とし穴に落ちた人にとっては、同じタイミングでジャンプしてうまく二人とも写真に映り込むような、そんな高揚感を得ながらあの世へ行くことができるのかもしれない。
ここにも竹の内なる力が及んでいるのである。

竹というのはどうにも『風情』と、切っても切りきれず、心にとどめておきたいものである。
そういう意味では、いつか余裕があったら見晴らしのいい空き地に竹でお城を作りたい。
そう、『あき竹城』を築きあげたい。