思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『DVD』


穴が開くほど見たDVDというのは、ない。
そもそも、元々必要なはずのラベル真ん中にはすでに穴は空いているので、今更開ける必要もない。
そしてブルーレイディスクの登場により、DVDディスクの立場はどんどん追いやられている。
今までは、棚の中に居ることのできたDVDたちは、ベランダで吊るされてカラスよけになったり、貧乏劇団の医師の役者の頭につけられたり、または、鏡に使われたり。
時代の移り変わりである。

しかし、DVDが唯一ブルーレイに勝っているところもある。
それは、ラベル裏面の反射である。
ブルーレイの場合は裏が青い。
故に再生プレイヤーが無い時、その青く光る部分を見たとしても、思い起こされるのは青みがかった場面となる。
具体的にはサバを捌くシーンだとか、若い男女が海で日本一の寿司職人になる夢などを語るシーンだ。
反面、DVDの裏面は、その反射に特に色はなくオールマイティ。
そのDVDは刑事が殺されるシーンでも、カレーを食うシーンでも、山登りのシーンでも、何でもその裏面から思い返すことができる。

さらに、もし、泉の精のとこにDVDを落として「あなたが落としたのは、裏面が金色のDVDですか?銀色のDVDですか?」と聞かれた時、かろうじて「裏面が銀色のDVDです!」といっても、明らかなウソにはならない。
DVDには、DVDの良さがあるのである。

とあるTVドラマを見たくて調べたところ、それはDVD化していなかった。
泉から引き上がった銀のDVDをもらえるならば、今度はそのTVドラマのタイトルを表面に書いたDVD-Rを誤って落とそうと思う。
引き上げられたその銀色の裏面に、泉の精の粋なはからいとして焼き付けてもらえたらな、と期待だけはしてみよう。