思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『名づけ』


子供の名前にキラキラネームをつけるブームが下火となった昨今だが、やはり類を見ない変わった名前は目に入る。
例えば、『鯉』ちゃんという名前の子がいたとして、つい名付けの意味を知りたくなる。
釣りバカ日誌が好きで『鯉太郎』にインスパイアされているのか、はたまた漢字に意味を持たせない主義なのか。『恋』ちゃんだったとしてもその名付けの意図の知的欲求は掻き立てられるが、『鯉』という字の魚の意味合いしか知らないオイラは、その深い意味に感心したい。
それよりもぜんぜんルールがゆるい、犬の名づけ方法も気になる。

『ポチ』や『タマ』などの音の響き系、『あんこ』や『いちご』などの食べ物系、パトラッシュ、アンナやミラージュなどの外国の名前系など、多岐にわたる。逆にルールがゆるいのを利用してエキセントリックな名前の付け方をする人もいることだろう。
3頭飼っている犬の名前がそれぞれフランケンちゃん、シュタイナーちゃん、エクストラメーションちゃんとか、かつての恋人の名前だとか、『ハムエッグ』などの料理名、生体なのに『メカドッグ』、より抽象的な『子ども』『干物』『イノシシ』『無機物』なんてのも、その名前で愛着が湧くのなら、法律上つけてはいけないという決まりはない。
そんななかでも、とりわけオイラが着目したい名づけがある。

その犬の名前は、『パブロフ』だ。
パブロフの犬、という心理実験があるが、それは実験者がパブロフであって、その犬にもきっと名前があっただろうに、犬の名前はいつも言及されてこなかった。
そこで、おそらくその実験に思い入れが強い飼い主が、自分の犬の名前にパブロフと名付け、その悲しみを昇華させようというのであろう。
しかし、気になるのは実験主の名前であるはずの『パブロフ』を犬の名前のほうにしたところだ。もしかすると、主従関係が逆になっているのかもしれない。
パブロフは、つぶらなひとみを輝かせる実験をすることだろう。
すると条件反射で世話をしている人が抱っこをして頬ずりをする。
このようにして、パブロフは『飼い主』として、色々なしぐさを試して、人間側をコントロールしているのだ。

このように、おそらくパブロフと名付けられたからこそ、その犬は実験をしたくなったのだろう。
名前がその生き物の性格を決める。
つまり、フクヤマという姓であればマサハル、オオタニという性格であれば、ショウヘイという名前にしておけば音楽や野球をしたくなるに違いない。
あるいは、名前からしてもうやる気に満ち溢れている『ギンギン銀太郎』のような、今にも爆発しそうな名前も良い。
名前負けが、この世になければの話だが。