犬を連れて散歩していると、「可愛いですね」と言われることがある。もちろん、犬に対してだ。オイラも、同じく、そう思う。
しかし、だ。
オイラだって、たまには「かわいい」言われてみたい。
「かわいいですね」「犬がですか?」「あ、犬じゃなくて、おじさんのほうが」って。
オイラの容貌は当然、二丁目に行ったところでかわいいとは言われないだろう。ただの40代のおっさんである。
たしかに、ほかの散歩している犬たちも、やはりみんなそれぞれにかわいい。
そして、一般的なおっさんの見た目は、平均して『焦がし終わったまんじゅう』のようである。その差は大きい。
それでもまだ、おっさんが『かわいいですね』を目指すなら、モノに頼るしかない。
そして、一点勝負だ。
膝の破けやすいところに自分自身を某名探偵アニメ風にデフォルメしたアップリケを貼ることをオススメしたい。
まずそれ風にすればアップリケが可愛らしくなるし、人目を引くだろう。
さらに自分自身をキャラクター化したものなので、自分が「かわいいね」言われているような気を起こすのである。
と、回りくどいことをしなければ、かわいいと言われない、悲しい生物であるおっさん。
財力のあるおじさんは、女王さまご在籍のお店に自ら犬になりにいけば、女王様の気まぐれでおっさんにも「かわいい坊やだこと」と、言ってくれるのかもしれない。