思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『ハンコ』

 
タバコを吸わない男性にとって、人と人とのふれあいを身近に感じられるのは、ハンコを押す時の朱肉を借りる時である。
「火、貸してもらって良いっすか?」から始まるタバ・コミュニケーションと同様、「ひと突きさせてもらって良いっすか?」と書類の「印」のところに少しお辞儀するように自分の苗字を斜めに傾けて押しながら、じぶんちの犬の話でもすれば良い。
何も話すことがなければ、ハンコの朱肉を拭くティッシュももらってみたら良い。
きっと、駅前でもらったパチンコ屋のティッシュの広告から、「あそこのパチンコ屋はトイレがキレイだ」とか「普段、店に行っては落ちてるパチンコ玉を拾って渡すボランティアみたいなことしてるんです」なんてプライベートな話に花が咲くことだろう。
 
しかし、もし仮に「あ、この人、朱肉コミュニケーションしたくないだろうな」と思った場合は、朱肉を返す時に机を滑らせて、「あちらのお客様からです」感を出して、こちらは関わりたい、という気持ちと感謝を伝えよう。1%でも伝われば、残りの99%が「無礼だ」と怒られたり、なんだコイツと気味悪がられたりしても、刑務所からの脱獄する時に壁をスプーンで掘りはじめたのと同じで、いつか彼との『朱肉コミュニケーション』もとい『「あちらからのお客さまです」コミュニケーション』は身を結ぶはずだ。
 
人と人とのつながりは、ものの貸し借りなどからも発展することは多い。
火を借りるだけでなく、タバコも一本ねだれる精神的太さを持つのと同様に、朱肉の際も一本もらってそのまま婚姻届けに押して結婚できるよう、ハンコをねだってみてはどうだろうか。