都会にも、たまにバス停に椅子がある。
使わなくなった椅子だろう、それを見ると郷愁と温もりを感じないわけにはいかない。
うちの使わなくなった椅子もどこかのバス停に置きたいのだが、それらは自治体の何かのシステムの中で許されるものなのだろう。
カーシェア契約で犬を乗せてドライブすることができないのと同じだ。
さらには、バス停にベンチが置いてあったりするところもあって、その背には『便利屋田中 草刈り電球替えなんでもお任せ』なんて書いてあったりするが、あれもそういったシステムの中に組み込まれているのだろうか。
ベンチの背の字は赤いペンキで書かれて、70年代ホラーを彷彿とさせることも多い。
それにしても、バス停の椅子を置くというのは、椅子取りならぬ椅子置きゲームという感じで、早く置いた者勝ちなのだろうか?
みんなが椅子を置きたい場合、やはり審査が必要だとオイラは思う。
高級レストランの椅子やマッサージチェア、IKEAのアームチェア・・・審査に難航を示すだろうが、個人的に置いてあったら良いのは、玉座だ。バスを待っている間、国王の気分になれるし、そのうちサウジアラビア国王なんかのお忍びでバス乗る前に待つ時にも対応できる。
なんとなくではあるが直訳ロックの星『王様』にはノーメイクの私服で座ってお茶を啜っていてもらいたい。
その町の親切心が目の見える形で現れるバス停の椅子。
あなたの町の椅子は、アームレストくらいは、ついてますか?