思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(2021)』を見て。

極上のエンターテイメント映画と呼ぶにふさわしい映画でしたね。

何が良いって、スパイダーマンを演じるトム・ホランドの見た目雰囲気、どうしても失敗してしまう少年の演技等々、人の良さが滲み出ていてね。
世間にはアイドルを追っかける人々がいるのは知ってたけど、確かに目で見ていたい愛たい人間というのは存在するんだな、と思わされる人物。
確かに、その性格は劇中の人物であり、そのキャラクターの歯がゆさがこの作品の魅力なんだけど、トム・ホランドはアニメやコミックじゃない、人間の動きでそれを表現してくれる。
他の役者が演じるスパイダーマンもカッコ良かったが、プラスして可愛らしさが加わった印象。
まさに『親愛なる隣人』で、「こんな友達がいたらなあ」という気を起こさせるよね。

今作は、今まで他のスパイダーマン作品に登場した敵役が、Dr.ストレンジの魔術により時空を歪められてこのスパイダーマンの世界にやってくる。

なんていうか、アベンジャーズシリーズが次のフェーズに入ってポイントとなってきた「マルチバース」ってこういうことなんか、っていうのをドカンとやってくれた感じ。

そこに、スパイダーマンスパイダーマンたらしめる、アクロバティックで緻密な戦闘シーンが目を離させないんですよね。

そして物語の重要なポイントである、メイおばさんが発する、有名セリフのシーン。

「大いなる力には大いなる責任がともなう」

映画オンリーのにわかスパイダーマンファンだあるオイラは「これ、メイおばさんが言うんだな」と思いつつ、言うぞ言うぞ、やっぱりこれがスパイダーマンだよね、とときめきを隠せないシーンも見どころ。
また、メイおばさんは、今回スパイダーマンに対して無茶振りとも言えるような

「全ての人に救いの手を」

なんて言っちゃったりするんですが、これも一般人なら「効率的に無理でしょうよ!」と思わされることも、スパイダーマンということでやらなくちゃいけない、その感をピーターに与えてるのが、観客に一考を促すところ。
英語の名言にもある「愛されたいなら自分を愛しなさい」の逆を行く発想。
どんなことあっても、人を救えと。
胃に穴開かないのかなあ。

もう一つ描かれているのは、『守るべきものは何か。』
友達や家族か。ヒーローとして、全てか。
魔術をかけてほしいと願った時の子供っぽさが残るピーターと、と物語の半ばのメイおばさんとのやりとりがあり葛藤があったあとのピーター。
「うん、きちんと成長してるわ〜。」と、もちろん近所のおばさん目線も忘れさせない。


その大きな責任感のもと、ラストは悲哀の決断をして、スパイダーマンとしてこれからも生きるという姿を見ると、情愛の念を禁じ得ないよね。

なにはなくともMCUのいつも豪華で楽しませてくれるヒーロー映画だけど、やっぱりスパイダーマンという作品はその中でもピカイチに楽しませてくれる。

大いに満足しました。