極上のエンターテイメント映画と呼ぶにふさわしい映画でしたね。
世間にはアイドルを追っかける人々がいるのは知ってたけど、確かに目で見ていたい愛たい人間というのは存在するんだな、と思わされる人物。
他の役者が演じるスパイダーマンもカッコ良かったが、プラスして可愛らしさが加わった印象。
まさに『親愛なる隣人』で、「こんな友達がいたらなあ」という気を起こさせるよね。
そして物語の重要なポイントである、メイおばさんが発する、有名セリフのシーン。
「大いなる力には大いなる責任がともなう」
また、メイおばさんは、今回スパイダーマンに対して無茶振りとも言えるような
「全ての人に救いの手を」
なんて言っちゃったりするんですが、これも一般人なら「効率的に無理でしょうよ!」と思わされることも、スパイダーマンということでやらなくちゃいけない、その感をピーターに与えてるのが、観客に一考を促すところ。
英語の名言にもある「愛されたいなら自分を愛しなさい」の逆を行く発想。
どんなことあっても、人を救えと。
胃に穴開かないのかなあ。
もう一つ描かれているのは、『守るべきものは何か。』
友達や家族か。ヒーローとして、全てか。
魔術をかけてほしいと願った時の子供っぽさが残るピーターと、と物語の半ばのメイおばさんとのやりとりがあり葛藤があったあとのピーター。
「うん、きちんと成長してるわ〜。」と、もちろん近所のおばさん目線も忘れさせない。
その大きな責任感のもと、ラストは悲哀の決断をして、スパイダーマンとしてこれからも生きるという姿を見ると、情愛の念を禁じ得ないよね。
大いに満足しました。
監督:ジョン・ワッツ