※大喜利元ネタ
■バスター・キートンのセブンチャンス(1925)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、12本目。
以下、ネタバレ備忘録。
大きな借金がある男が今日中に結婚したら700万ドル相続できると聞き、躍起になって誰彼構わず結婚しようとするコメディ作品。
まず冒頭の主役のキートン扮するジミーが恋人のメアリーに愛の告白をしようとするシーンには、楽しく心でのツッコミをさせられる。
「早くしろよ!」「何冬越してんだよ!」
「犬でかいって!」
と、現代でも使われている「いつまでやっとんねん」を発見できたのは思わずニンマリ。
祖父の遺産が手に入ると聞いて、まずはメアリーに結婚を申し込むんだけど、ジミーの言葉選びの配慮のなさが、彼をドタバタ劇へと巻き込ませる。
結局、メアリーと結婚ができなくなってしまったジミーが、共同経営者のビリーたちと結婚してくれそうな女性に片っ端から声をかけまくるところの非日常性が軽やかで、コミカル。
その中で階段を登っていく女性に声をかけ降りる女性にも声をかけ、また登るときに声をかけようとした女性はさっき声をかけた人でした、というシーンが印象的。
さらには結婚相手募集の新聞広告まで出して、待ち合わせ場所の教会には女性が集まりまくり、牧師の「あなたたちはだまされてるんです」発言で、数百人はいるであろう女性たちがジミーを追いかける展開に。
追っかけっこをしているジミー一人の全速力のショットは、不思議と爽快。
そこからは彼の身体能力の高さからくるスタントシーンやギャグシーンがふんだんに盛り込まれていて、視覚的にとても楽しい。
そして、これもボケの一種であろう、たまに映る時計がさっき映っていた時刻から5分しか経っていなかったりして、またもや心ツッコミをさせようとしてくるところがニクい。
最後はメアリーと結婚することができ、キスをしようとするところなかなかできず、犬にまでキスを譲り、ジ・エンド。
今見ても笑える、時を超えて通用するコメディ。
笑いが好きなら、とても楽しめる作品だと思うなあ。
製作:アメリカ
監督:バスター・キートン
出演 :バスター・キートン