思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『湿布』


職場などで気を使うのが湿布の類である。
肩からはみ出してしまうのも気になるが、何と言ってもその臭いは鼻からでも神経毒効果をおびき寄せるような麻痺的なかものだ。
しかし、根本治療にはならずとも、やるのとやらないのでは全然違うので、無香性のものをネットショップより探し出し、なんとか臭いのエチケットを保っているのだ。
香りの強い湿布には、人間には内なる麻痺したい願望があるがためにそれを使っていても周りの人は鼻の穴の開きが少し大きくなる程度ではあるが、もし『家を飛び出したインコ・オウムの類が引き寄せられる湿布』が肩に貼られるのだとしたら、社会への影響は千倍、万倍となるだろう。

また、違う視点から見ればその湿布には、出ていった「うちのピーちゃんが帰ってきてほしい」という人たちの一縷の望みでもある。

結局、その湿布を貼れば寄ってくるインコやオウムがピーちゃんじゃなくても、そのまま飼うことになるだろう。
金の斧と普通の斧よろしく、セキセイインコが帰ってこないけどアカオクロオウムが来たら、それでも「こんな機会は滅多にないし、飼ってみるか」となるのである。
そうして鳥が肩に止まる社会になると、家でだけじゃなく、職場やパチンコ屋、鳩時計屋などでも鳥を飼っては放すのが、日常茶飯事になる日が来るのかもしれない。
口下手な人にとってはこれはチャンスである。
肩に止まっては代わりにしゃべってくれるし、なんなら好きな人に告白もしてくれる。告白がだめでも、お見合いをしたときに相手の肩に止まったオウム同士で代わりに趣味や習い事の話なんかをしてくれるのである。
仮に悪口を言ったとしても「鳥が言ってることで済んで」で済まされる。
こちらが口を動かさず代わりにセリフをしゃべってくれるので、人形を買ってきて腹話術をやるきっかけにもなるのである。
そんな世の中が来るかどうか。
この先の肩に貼る湿布の配合成分次第である。