※大喜利元ネタ
■白い恐怖(1945)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、51本目。
以下、ネタバレ備忘録。
精神分析ばかりやってきた女性が、恋は盲目とばかりに人を殺した可能性のある男に首ったけになる話。
そこに冷静さはない。
お堅い感じの精神分析医コンスタンス(イングリッド・バーグマン)。男になびかないように生きてきた彼女が、新しくきた若い院長を見ると、その脳内には雷が落ちているんですよ。
一目惚れしてるんすよね。
それからの彼女の行動はもう盲信者のそれ。
本物の博士じゃない、ってなって、その偽エドワーズ博士=ジョンが記憶喪失で人殺してるかも、ってなってんのに、「そんなはずないわ、私にはわかるの」ってあんた、自分の息子じゃないんだから。
そして、たいてい流れからそういう息子は疑われたら十中八九はそれをやってるし。
彼女はとにかく行動的。ニューヨークまで飛んだり、思い出させるために逮捕される危険を犯して偽エドワーズ博士とキップ売り場に行ったり、雪山にスキーに行ったり。
スキーしに行くところなんてわざわざ当時を再現するために、崖ギリギリのところまで滑っていって、二重の意味で危険だわ。
信じるものがあると力になる、っていうのをまざまざと拝まされましたね。
宗教とかマルチとかも信じる力が行動の源。
別視点で見れば生きがいがあってうらやましい。
これ、劇中でも言ってましたけど、彼女、理性より感性で動いてましたからね。
一応、恩師があれやこれや注意を促すんですが、ご自身の感性を信じたいんだそうで。
私が人殺しをする人を好きになるはずがない、ってことだそうで。
質屋で10万円もしたデザインも手触りのいいエルメスの財布が偽物であるはずがない、っていったところか。
そろそろ言わせてもらいますけど、あなた、本当に精神分析医なんですか!?
人の精神は分析しても、自己分析はしてこなかったから・・・ってこと?
そして、最後にコンスタンスは、機能性の高いジョンの見た夢をもとに真犯人であるマーチソンのもとへ辿り着く。
ここで向けられた銃口をが手前にある演出は、ゲーセンのガンアクションゲームを思いだしたりして。
それで、ジョンと彼女が新婚旅行に行く、っつってジ・エンド。
お茶碗に米粒一つこびりついていないような、無駄のない映画でした。
それにしても、殺されたエドワーズ博士は雪山の崖で撃たれたらしいけど、マーチソンもちょい遅れで滑ってたの?
製作国
アメリカ
出演
コンスタンス・ピーターソン:イングリット・バーグマン
マーチソン院長:レオ・G・キャロル