※大喜利元ネタ
■欲望という名の電車(1951)
『死ぬまでに観たい映画1001本』より、70本目。
以下、ネタバレ備忘録。
大地主の娘だった女性が、周りの尻拭いをした結果お金がなくなり、精神をやられて妹夫婦のところに転がり込んだところ、もうどうしようも無くなってしまう話。
この主人公ブランチがかわいそう。
妹夫婦のところにやってきたところから、どうもおかしい。
情緒不安定というか。
男に色目使うのよ。
最初はなんと、妹のだんな(スタンリー)にそれっぽいふうな態度みせて。
しかし、このスタンリーも相当な輩。
そんなことは気にせず、家売ったんなら金ねえのか、と財産的なものを探したりして。
そのスタンリーとポーカーやってる友達にも色目を使い。
その彼と良い感じになってるのに、宅配物を届けにきた男の子にキスしちゃったりしたりなんかしたりして。
そんな男にだらしがなくなったのは、家や旦那を失ったストレス。
家を出たブランチはある町でホテルで男を、自分の体の上を通り過ぎさせまくります。
アバズレ行為。
これがある町では有名になってて、それがスタンリーの耳に入って、良い感じになってた親友にもバレます。
親友も愛しの彼女がアバズレ女だったと知り、ガックリ。
ささやかな希望は、音を立てて崩れ落ちます。
それで、さらに妄想が膨らんでいくブランチ。
自分のプライドを保つために、大学時代の友人からヨット遊びを誘われたなんて誰でも聞いた瞬間嘘だとわかるでまかせを口走ってしまったり。
それを、ブランチが家にいること自体がストレスになっていたスタンリーは「変な嘘ついてんじゃねえよ!」と詰めます。
さらにおかしくなっていく彼女が家を出ようとしたところ、スタンリーはさらにいじめ抜こうと、ブランチに襲いかかります。
ひどい仕打ち。
そして、壁にかかった鏡も割れて。
その後ブランチは、あなたは田舎で静養するって言ってんのに、当の本人はバカンスだーっ、なんつってて。
なんか、自分の周りは汚れたものばかり、と言わんばかりに大聖堂の鐘が唯一汚れてないもの!と言ったり。
それで精神病院からお迎えが来て連れて行かれて。
スタンリーとの子どもが産まれていた妹も、ブランチとスタンリーの関係を知り、もう家に居られない、と家を出て行って、破滅的ジ・エンド。
ヴィヴィアン・リー演ずるブランチの、この精神異常状態の演技は、リアリティを感じて悲しい。
なけなしの金はたいて買った当たるとも思ってない万馬券が当然のように外れたような虚しさを覚えた作品でした。
製作国
アメリカ
監督
出演
ブランチ・デュボア:ヴィヴィアン・リー
スタンリー・コワルスキー:マーロン・ブランド
ステラ・コワルスキー:キム・ハンター