小さい時からの好物、マグロ。
寿司ネタとしても、そのままお刺身としても最高の食材だ。
回転ずしで100円で出すことで、客寄せパンダ役を担ってもいる。
素晴らしい。
親からはオイラにはマグロを食べさせておけば良い、と思われていた。
そう、実際オイラは、マグロを食べてさえいれば良かったのである。
そう言う点では「ママ!今日は『真鯛のポワレ レモンバターソース添え』食べたい!」などど言う小学生のうちから肥えた舌を持つ子どもより、楽な子どもだったのかもしれない。
当時は今ではコスト的に考えて積極的には頼まない「ネギトロ」も好んで食べる、『本当にいい子』でした。
小さい時にはこだわりがなかったので覚えていないが、よく食べていたのはおそらく『キハダマグロ』だったと思う。
今でも『ビンチョウマグロ』はスーパーで選ばないところがあるし、『本マグロ』はまさか子どもにその美味さはわかるまい、と親がセレクトしていなかっただろう。
つまり、9歳前後の頃のオイラの体の6分の1から8分の1くらいは『キハダマグロ』でできていたのである。
ちなみにマグロは『落としても5秒以内なら食べてもいいリスト』に入っている。
そのリストには『オクラ』や『ちりめんじゃこ』なんかは入っていない。
オイラはそれほどにマグロが好きなのだ。
もし、誘拐犯のポケットからトレイの上にパッケージされた『キハダマグロ』がまろび出てきて
「これうちで刺身にするから、おじさんと一緒においでよ」
と言われたら、うさぎがはねるようにピョンピョンと着いていったことだろう。
いやあ、マグロとは魅力を持った魔力である。
ただ時代は過ぎ、世の中を少し知ったオイラはサーモンにも魅せられた。
マグロより安く脂もノっているものも多くて、食べ応えがある。
『iPhone』一強だったのがどんどん『Galaxy』が迫ってくるのと同じ構図だ。
まあ個人的にはASUS派ではあるけど。
オイラは、マグロになら生まれ変わってもいいと思っている。
捕まるまでは雑魚たちを口の中に吸い込み、釣られたら切り刻まれて目玉までほじくられて、みんなの口の中を喜びで満たしたい。
実際のオイラはマグロには程遠く、25mを足をつかないで泳ぐのがやっとではあるのだが。
あるいは、葛西臨海水族園で一生を過ごすのもアリか。