思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『演技』

 

演技は小さい時から叩き込むのが良い。
演技ができれば人の心を掴み、そうすれば、飢える必要はない。
子供のときはケーキ屋さんの前で指を加えていちごのショートケーキを食べたいな…と眉をひそめて今にも泣きそうにしていれば、あるいはそのショートケーキにありつけるだろう。
青年期になると、心底相手に頼り「お前じゃなきゃダメなんだ」という女心をキュッと締め付けるような視線とそれにともなう甘えた態度があれば、ヒモとして女にケーキを買ってもらうことだろう。
爺さんになったら、ボケたふりして一時間おきに「わしゃ、いちごのショートケーキから生まれて、いちごのショートケーキで死んでいく」と意味がわからないことを言っておけば、「饅頭こわい」よろしく、爺さんを殺したい誰かがケーキを買ってきてくれるかもしれない。
また、腹回りに脂肪をたくさん蓄えたおっさんの場合はいよいよ奪い取るしかなく、その際も強盗の演技が必要なのである。
そしてその後の刑務所でも、模範囚の演技が必要だ。
演技は生存戦略のなかでは極めて重要なのである。

しかし、子供の頃から演技が上手で甘い汁ばかり吸っていると、世の中自分の思い通りになる、とイルカならぬ「調子に乗った少年」が出来上がる可能性がある。
もしそうなってしまったときは人間との関わりを断つ調整部屋、「蚊と魚だけの家」があるといいのかもしれない。
なまじっか人と関わると、その演技力の高さゆえ、同情しておしおきに手心を加えてしまいがちになるだろう。
その点、死にはしないけど演技が全く通用しない蚊から身を防ぎ、食料としてそこの池を泳がされながらも必死な魚がおり、そして子供が風邪を引かないように暑かったり寒かったりしない暖房冷房完備があるような、そんな場所があると、いくら世の中舐めてる子供でも「演技ができればいいってもんじゃないんだな。勉強やろう。」と気づくことだろう。

蚊だけに虫のいい話だが、子どもにはうまく世の中を渡り歩くことだけでなく、心の底から湧き出てくる人への思いやりも持っていてほしい。
もう一つ、もし人生でつまづいて裸一貫になったとしても「オレはオレだ」と堂々としたマインドを持っていてほしいという願いもある。
なので、子どもがもし生まれたらその2つを体現している、エガちゃんのユーチューブ配信を見て健やかに育ってほしい、と願う次第である。