断捨離とは、何と何を接続するのかわからなくなったコードとか使うタイミングを逃した消しゴムやメモ帳などに対する愛の確認作業である。
DVDを買ったときにオマケでついていたリストバンド、付け替えるタイプの髭剃りの柄、100万円貯まる貯金箱・・・たとえ一生使うことがなくともこれらを押し入れの中にしまい込んでおくと安心する気持ちは皆持っているかと思う。
しかし、モノはどんどん溜まる一方。押入れにその存在感が増すにつれ、自然と断捨離の必要に迫られるのだ。
もったいないオバケ発生源になりかねないそれらの品々を「もうコレいらない」と手放すまでの心の動きを探りたい。
(100万円貯まる貯金箱あるけど、本当に500円玉をコレに2000枚入れるのか?)
(どうせ7、800円でやめるだろう)
(それよりも、同じ500円玉を入れるなら、UFOキャッチャーだったら100円だと5回のところが6回できるから、かなり得だよな)
(あれ、この貯金箱、UFOキャッチャーで取ったんだっけ?確か500円、6回で取れた)
(500円で取れたのに、100万円貯められるポテンシャルがあるなんて、すごいよなあ。いつかオイラが100万円分の500円玉を用意できる日が来るまでとっとこ。)
そんな日は来ないのである。
「いつか白馬の王子様が来たら」なんて、そんなものはそうそう現れるものではない。隣の『冴えないけど私のことを一番に思ってくれる優しい男』と結婚を決断して、淡い期待を断捨離するのが人生を幸せに過ごせる可能性を高める。
したがって、500円玉が入る予定のない貯金箱やいつリバイバルするかわからないバトルスピナーなどは今すぐ処分すべきなのだ。
スペースも無駄、捨てるか捨てないか考える時間も無駄。
給料が上がらないこの時代、いつ使うかわからないものは即刻メルカリで売って、少しでも現金化しよう。
その際、売れたお金を『100万円貯まる貯金箱』に入れて目標にすると出品するモチベーションが保てて役に立つはずだ。
そう、やっぱりこの貯金箱は断捨離をするに当たって、捨てずに取っておくべきモノになるのである。
モノへの愛はこのようにして深まるのだ。