思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『孤高の人』


タンスのようにどっしりとした人が周りにいる。
一言の重みがありそうな、いつも口数が少ない人だ。
普段雑談をしていてそんな人がいるとき、その人の魅力を引き出す力が試される。
どの蛇口をひねると水が出てくるのか手当り次第確かめるように、しぐさを隅々まで見極めなくてはならない。
どうやら、その人の蛇口は『少年ジャンプ』のようだ。
月曜の朝、もう少年という年齢はとうに過ぎてるだろうに、少年ジャンプを開いている。
これは、ただ少年ジャンプを読んでいるというのではなく、「少年ジャンプは、私の蛇口なので、蛇口をひねってください」という無意識化からくるメッセージなのだ。
人はコミュニケーションの動物である。
ということで、オイラは、その人と、さり気なくコミュニケーションをとれるように、持参するお弁当を今週号のジャンプの表紙のようにしてみようかな、と思っている。
そうすることでこちらもジャンプが好きなような雰囲気が出せて話しかけるきっかけにもなるし、もしその人がオイラとコミュニケーションを取らなくとも、金髪キャラに用いた金糸玉子は美味しい。
 
キャラ弁とも言うべきその『ジャンプ表紙弁』で、相手の心を解きほぐす。
しかし、仮に話しかけられたところで、オイラが現在の少年ジャンプに掲載されている漫画が一切わからない。というより、オイラはもう中年である自覚があるので、申し訳ないが、少年ジャンプには興味が湧かないのだ。
「このマッシュル、のりと佃煮でできてるんですかですか」「そうです」と週間少年ジャンプ表紙弁当を見つめて、一言二言話す。
それが、彼とオイラの仲の良さを次のステージに押し上げるステップになれば、それで御の字だ。
月曜の朝、もしかしたら、そのキャラ弁が昼休憩までに出来上がらないかもしれない。
その場合は、水曜日にもう一度チャレンジするチャンスがある。
彼は、毎週、少年マガジンも買っているのである。