思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『桜』

 

オイラが桜の木の横を通ると木が枯れてしまうんじゃないかというほど、対照的にさわやかでやわらかな花を咲かせ、そそり立つその存在。
桜である。
新学期や新社会人と明るい雰囲気に包まれ、その数週間を過ごす桜。人名や曲名、歌詞にもよく使われ、とにかくその温かな存在感に皆近づきたいのであろう。花見客も、桜を見ながら酒を飲んで錯乱するが、ベニバナトキワマンサクで酒を飲みながら錯乱はしないだろう。
桜とは、日本人には親しみ深い、花の王様なのである。

そのように捉えれば、花見客のケンカなどはいわば御前試合となる。
日頃の鬱憤を相手に吐き出し、頭に巻いたネクタイをとりはずし、首を絞め合う。それを周りの仲間たちも必死で止める、というところで一度皆、桜の方をチラリと見て、桜様の様子をうかがう仕草をはさむ。
その一連の流れは、桜で楽しんでいるようで、逆に桜を楽しませているのだ。
そして、「褒美じゃ」と落ちた桜の花びらを、そのケンカした酔っぱらいの口に詰め込むのもまた桜様は微笑まれることだろう。
上機嫌で桜様は『人見』を楽しむのである。

しかし、『人見』を楽しんだところで桜様はきっとお酒を取れ入れられないし、人のようには酔えないだろう。
なので、たまに犬連れでくる花見客の犬の小便で十分なはずだ。また、それは別の犬をも呼びよせる。
そんなところも、桜が親しみ深い王様たるゆえんなのである。