思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『ギター』

 

ギターとは、人を惑わせるものである。
その音色を聞いた者に対してもそうだが、『ギターを弾けるとモテる』という考えに至る者に対してもそうだ。
オイラはもちろん、後者である。
そうであるがゆえに、当時、価格13万ほどしたアコギをそれなりに練習しても、人を、自分を惑わせる音色が出ずに、ワクワクもせず、部屋の片隅に置く時間が増え、そのうちにネットで売り払った。
『人気者になりたい』が先行して、自分の向かないことにそれなりに頑張って全く結果が出ないというやるせない思い出が、また自分の歴史に1ページ、書きつづられた遠き思い出である。
ある日の帰宅途中、駅近くで弾き語りをしている人を見かけた。
自分が惑わされていることに気づいてるのか気づいてないのか、耳に入ってきたのは人の平常時に持つ心地よさをザリザリと削る、ヤスリがかかったような気分になる歌声を発していた。
上記はオイラのその日の感想だが、その人はニーズにマッチしていないどころか、許容範囲を、少なくともこの駅前では超えてしまっている可能性がある。

こういう人たちのために、未来人に向けてのタイムカプセルが今こそ必要なのかもしれない。
自分の歌声は、時代にマッチしてないということで、100年後、1000年後の未来人のために自分の写真とともに吹き込んでおくのだ。
そう、彼らは時代が早すぎた。未来のスターであり、現代人は彼らの魅力に追いついていないだけなのだ。
1000年後、その彼の掘り起こされたタイムカプセルから見つかった音声データの『I LOVE YOU』が、天使の歌声のように聞こえる世の中かもしれない。
仮にもし、その歌声の主本人ではなくその生まれ変わりがタイムカプセルを掘り起こしたとしても、その感動を与えられるなら、やる価値はあるのではないか。
現代は路上だけでなく、You Tubeなどでも歌を披露する人が増えたが、人の平常心をヤスってしまう人もいるだろう。
そんな人たちが数千人数万人、タイムカプセルに声を吹き込み、数回の輪廻転生の後、1000年前の自分の声に感動する、そんなロマンチックで現代の人に惑わせる、いや夢を見させるような商売を、オイラはやりたい。