思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『弁当』


弁当は閉ざされたこの世界に入る、一筋の光である。
無機質な職場にいるときに与えてくれる弁当の楽しさの癒やしの度合いは、計り知れない。
それは、弁当に思いがこもっているのが関係している。
妻は夫へ、母親は子へ、その弁当が何を語っているのかは昼飯時にフタを開けたときに判明するのである。
普段あまり会話のない妻でも、ウィンナーとあわびが入っていればその夜は奮い立たせて打席に立つし、いつもより料理に丁寧さを感じ金粉なんか使って見た目を美しくした豚丼弁当になってたなら、ヴィトンの財布などを勝手に買った贖罪の意味である可能性が強い。

そして、一番手間がかかっていて、楽しみな弁当といえば、キャラ弁である。
時間は非常にかかるが、子どもは喜び、夫も、嬉しい。
しかし、中身にコストがかかるなら、最初は楽しんでいた夫も、次第に眉間のシワが深くなっていく。
とにかく、コストのことを考えるべきだ、となることだろう。

そんなときは、『美味しんぼのり弁』である。
美味しんぼの旨いものを食べたときのリアクションをしているコマをのり弁で表現するのだ。これだと、味付けした海苔と白飯だけで、済むのである。
そのリアクションを見て、夫はそのコマで食べられているであろう食材を思い浮かべて飯を掻き込む。
先程のコスト問題は解決、妻の技術のみで昼飯に無限の可能性が広がる。

いつの世も、我慢する役回りなのは夫側だ。
せめて美味しんぼが雑誌でカラー掲載だったときの赤色を、ニンジンやしょうがなどで出してもらえたら、と思う。
まずは、しっかりとのり弁で浮いたお金で妻にヴィトンのバッグを買いご機嫌をとって、『カラー時の美味しんぼのコマ弁当』の交渉を成功させる第一歩としてほしい。