思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『叫び』


君が好きだと叫びたい。
これから調理される好物のイワナにそうしてみても、なにやらドラマでは得られないような悲壮感が漂う。
叫びとは、のっぴきならない状況時の強い主張のことである。
「火事だ!」「ひったくりよ!」「二次会行くって!」どれも、誰かに伝えるための強いメッセージ性を帯びているのがわかるだろう。
ムンクのあの絵の人も、「こんな周りの景色が歪んでいる場所じゃなく、春画に行かせてくれ!」くらいは叫びたくなるのは当然である。
さて、日常生活で良く叫ばれているものとしては、浴室で身体を洗っているときに気づいて「せっけんないよ!」というのがある。
家族がいればその叫びは非常に有効な手段だが、一人暮らしでそれをやっても、こだまが響くことはない。
せめて、そのこだまだけでも響かせることはできないだろうか。
答えは、山を家の中に置くことである。
もちろん、4.5畳の一角に山があったとしても、小さい。ゆえに、こだまを返してくれるかはその山のさじ加減になることだろう。土を良くしたり、ミミズを解き放ったりして、山のご機嫌をとることで、こだまを返してくれるのを信じるのである。

強い主張に対しては何かレスポンスが欲しいもので、それがゆえに叫び声は大きくなる。
そんな強いこちらの想いを聞いて心から慰められるのは、ただただ「うん、うん」と微笑んで聞いてくれるような母なる海に対して叫んだときだけなのかもしれない。