つわりは、ずっと、すんごい気持ち悪い、らしい。
男が理解するにはその限界値が低いものである。
相方が今、つわり真っ最中なのだが、ずっと寝ている。正確には、身体を横にしている。
妊娠初期のつわりで、常に気持ち悪いらしいのだ。
それを聞いて、オイラは最大限のサポートをするしかない、と、掃除洗濯はもちろん、やれ「プリンが食べたい」だ「パイナップルが食べたい」だ、とにかく食べたいものを聞いてその都度買ってくる、という生活をしており、どうにか相方の役に立とうとは思っているのだが、それをしたとて、吐き気やお腹の辛さはなくなりはしない模様。
常に大変そうな相方から目が話せないのである。
そこで相方からは「つわり変わってよ」などと言われるのだが、もちろん変わってあげられることはない。
では、せめてやれそうなことは、なにか。
空気でいること、である。自然に、そこに在ること。
しかし、手をつなぐくらいはやっても良いだろう。
そして、求められれば街角で全身黒タイツの無口で動かないパントマイマーのように黙っている状態から、お腹が痛いとき苦しいときにそこからつないだ手に伝わる振動でフラワーロックのように動き、その苦しみから生まれる動きを表現してあげると、苦しみが相方の目に見えて昇華され、幾分落ち着くことだらう。
オイラにできることは多くない。
せめて、あなたのひまわりでありたい、と願い、踊るような陽気さで、接していきたい。