思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『無言』


一生、無言が許されるのは、道端ではお地蔵さんだけである。
人は人と関わるとき、何かしらの言葉を発して何かしらのやり取りをしなくてはならない。
仕事上でも趣味の集まりでも、隣に知り合った人がいる場合、名前だけ名乗って黙りこくるのは空気が重たい。やはり、天気の話だけでもすべきである。

さらには誰かに怒られているときも、無言になってしまうと「話聞いてんのか!」ってなったりもするので、適度な相づちを打つことになる。
どうしても無言でいたい。そんなとき、どうしたら良いのか。

そのための救いとして『恵方巻き』がある。
仲良くなれそうもない人と話をするときや怒られているときに恵方巻きさえ口に頬張っておけば、相手も当然「恵方巻き食べてるんだったら仕方ないか」と許さざるを得なくなる。
発注ミスで先方に行って怒られ始めたら、このために用意した『ポケット恵方巻き』を取り出してみよう。もちろん、コンパスなどで方角も間違えないようにして、キリスト教徒であれば日曜の休日出勤を免除されるように、恵方巻きを食べている間は、無言でいることを許されることだろう。
気をつけなければいけないのは、恵方巻きが切れたら、相手もここぞとばかりにヒートアップすることだ。
相手が怒り終えるまでの『ポケット恵方巻き』のストックをできるスーツも用意しておこう。これが、これからの時代の傷つきやすい若者たちへのエッセンシャルグッズとなることだろう。

沈黙は金なり、と言う。
確かに口を閉じていれば、全部の歯を金にしても誰もペンチを持って盗みにやってくることもない。
しかし、そうして誰とも関わらず無言で金歯を守る生活をオイラは出来そうもない。
なので『雄弁は銀』を信じて、無理にでも喋って、口の中の四隅の銀歯を相手の目にチラつかせ、価値ある時を過ごしたい。