布団の中で、割と手軽にすること、それが『もんもん』である。
なぜあんな事を言ってしまったのか、逆に言いたいことが言えなかった夜。
異性関係、あのときのあの発言、もんもんと何度も何度も考えてしまうのである。
考えてもどうにもならないことを、こんなに考えているのは、オイラだけなのだろうか。
いいや、火星人も、クレオパトラも、寝る前はもんもんと考えていたことだろう。
そう、ジャイアント馬場もだ。
きっと、ジャイアント馬場だって、いつも16のもんもんを抱えていたに違いない。
あのとき16文キックを蹴らなきゃよかったのか、いや、蹴って良かったのか。
もっと、俊敏に動くキャラ設定にしたほうが良かったのか。
あのパイの注文、アポーよりちゃんとアップルって言ったほうが良かったのか。
さっきのバーの注文で「ウィスキーの脳天唐竹割りで」なんて言わなきゃよかった。
など。
誰だって、夜にはもんもんと考える。
もんもんとしていたら、そのまま朝がくることがある。
過去の後悔、恥ずかしさに縛られながら、夜通し過ごす。
夜の内に、人間が放出しなくてはならない恥ずかしさを脳内でしっかりしておくことが、日中皆がドヤ顔で的はずれなことを言ったり、今期のドラマの決めセリフを恥ずかしげもなく堂々と言ったりとすることなどをしないで済むために必要なことなのかもしれない。