思ってもみないことばかり。

「ほめる、認める、肯定する。」をモットーに、何もないおっさんになった自分が大喜利や日々のことを書きつづることこで変化していくさまを記録するブログ

『風邪』


バカは風邪引かないという風説があるため、頭が良い人は風邪ばっかり引いていると思うのだが、線引が難しい。
野球がめちゃくちゃ好きで詳しい人を『野球博士』と呼べば風邪を引くが、『野球バカ』と呼ぶなら目の前で咳を吐きかけてもピンピンしているのなら、あとは名誉性の問題だ。
野球バカでいいのなら、裸でスキーも寒中水泳できる。

しかしながら、ちょっとさみしい面もある。

それは、『風邪は天下の回りもの側面もある』ということだ。
風邪を伝染されたとき、それをそのままバトンのように人に渡すことでケロリと風邪が治ってしまうことがある。この伝染された人もまた、他の人に伝染すと、また精力ビンビンに戻ったりして。
風邪というものは移ろいゆくものであることであり、その移ろいゆく様にドラマ性があるのだ。
例えば、愛してやまない人から伝染された風邪。大切に引いていたのだが、その風邪には悪化するというプログラムが組まれていたとする。
そこに看病に来るのは、その愛してやまない人の妹だったりして。
その妹の気持ちを理解しながらも、語らずとも、もう一度その風邪に「君じゃないんだ。お姉さんなんだ」とメッセージを宿して風邪の伝染とともに家に持ち帰ってもらって。そしてまた妹経由で、その姉は風邪になり、そのメッセージを受け取って、風邪を伝染すことで「これが答えよ」と重めの風邪を彼に伝染し返す。
これは、風邪のコミニケーション、風邪の三角関係の一例だ。

ちなみにこの都度移し終わった人はピンピンに戻って次はどんなメッセージを風邪に乗せて回すかをすこぶる元気な状態で考えていると思っていただいて良い。

以上のコミニケーションが、『風邪を引かないバカ』には出来ないのである。
しかし、バカのほうが存外モテるものだ。
風邪のコミニケーションなどといういちいち相手のことを遠回しに考えることをしなくても、ただストレートにぶつかっていける。
そう、バカはたとえ目の前に真冬の池が迫ろうとも考え無しにただただ突き進むことのできる、もっといえばいくら振られても一瞬で忘れ、「次行こ、次!」と、数秒後には次の人のアタックできる、無敵の存在なのだ。